【No.22】『五十歩百歩』というけれど、マシなのはどっち?

出来の悪い者通しの争いを、よく『どっちもどっち。五十歩百歩だ』などと皮肉ったりする。ここでいう『五十歩』と『百歩』はほとんど似たりよったりという意味だが、あえてマシなほうを選ぶとすると、どちらになるのか?
『五十歩百歩』は、もともとは古代中国の思考家・孟子が『五十歩逃げた兵士が百歩逃げた兵士を非難しても、逃げたことに変わりはないだろう』と語ったことから生まれた言葉である。
つまり、孟子は、五十歩逃げた兵士も百歩逃げた兵士も同罪だとしたのだが、ここで孟子の考えを無視して、どちらが勇気があるかということになれば、逃げた歩数の少ない兵士。『百歩』より『五十歩』のほうが、まだマシというわけだ。